令和3年度 民有林治山事業予算の決定状況
令和3年度の林野公共事業について
令和3年度の林野公共事業は、森林資源の適切な管理と林業の成長産業化を実現し、国土強靭化や地球温暖化防止等にも貢献するため、間伐や主伐後の再造林、幹線となる林道の開設・改良等を推進するとともに、激甚な山地災害からの復旧、山地災害危険地区における災害リスクの把握や治山施設の設置等のハード・ソフト一体的な対策、流木対策等の治山対強化するため、森林整備事業、治山事業、農山漁村地域整備交付金事業及び災害復旧・復興事業を実施することとしている。
林野庁関係公共事業費(一般公共事業費、災害復旧等事業費)の令和3年度概算決定額は、「防災・減災、国土強靭化のための加速化対策」等を措置した令和2年度補正予算を含めて3,313億円(対前年度経常予算比171.6%)で、そのうち治山事業費は1,080億円(同178.0%)、森林整備事業費は1,744億円(同142.6%)と、近年にない大幅な伸びとなっている。
このほか、地方の裁量によって実施する農林水産業の基盤整備や農山漁村の防災・減災対策(森林分野では路網整備や予防治山等の事業)を支援する、農山漁村地域整備交付金(公共)が措置されている。
令和3年度北海道民有林治山事業予算について
北海道水産林務部関係令和3年度予算は、当初予算に令和2年度補正予算を加えた実行予算で総額90,001百万円が計上され、対前年度実行予算比で101.7%となっている。
このうち林務関係分は、「北海道森林づくり基本計画」に基づき、森林資源の循環利用や木育を推進するため、合計41,672百万円(同101.5%)を計上、このうち公共事業費は28,640百万円(同106.3%)となっている。
林野公共(補助)事業3,033百万円(国費)、農山漁村地域整備交付金(公共)事業850百万円(国費)、令和2年度補正予算2,221百万円(国費)を合せた、令和3年度治山事業予算は、事業費12,074百万円、国費6,104百万円で、対前年度比105.6%と、前年度予算額と比較して一定の予算増が図られた。
一方で、こうした予算の伸びは、上記の国の予算の項目で述べた加速化対策の補正予算によるところが大きく、胆振東部地震による被災箇所への対応も見据え、今年度の治山事業の実施にあたっても、引き続き一層の効果的、効率的な実施が望まれる。