令和4年度 民有林治山事業予算の決定状況
令和4年度の林野公共事業について
令和4年度の林野公共事業は、カーボンニュートラルを見据えたグリーン成長を実現するため、森林吸収量の確保・強化や国土強靭化、林業の持続的発展等を図るべく、間伐の着実な実施に加え、主伐後の再造林の省力化・低コスト化や、幹線となる林道の開設・改良等を推進するとともに、豪雨や豪雪、地震等激甚かつ同時多発化する災害に対応し、国土強靭化を図るため、流域治水と連携した治山対策の強化や、十分な工期確保、施設の機能強化など地域の実情に応じた対策の強化、津波に強い海岸防災林の全国的な整備を推進することとしている。
林野庁関係公共事業費(一般公共事業費、災害復旧等事業費)の令和4年度概算決定額は、「防災・減災、国土強靭化のための加速化対策」等を措置した令和3年度補正予算を含めて2,991億円(対前年度経常予算比151.9%)で、そのうち治山事業費は926億円(同149.5%)、森林整備事業費は1,709億円(同137.1%)と、令和3年度に引き続き大幅な伸びとなっている。
このほか、地方の裁量によって実施する農林水産業の基盤整備や農山漁村の防災・減災対策(森林分野では路網整備や予防治山等の事業)を支援する、農山漁村地域整備交付金(公共)が措置されている。
北海道水産林務部関係令和4年度予算は、当初予算に総額60,150百万円が計上され、対前年度当初予算比で96.7%となっている。
このうち林務関係分は、「北海道森林づくり基本計画」に基づき、森林資源の循環利用や木育を推進するため、合計28,259百万円(同102.3%)を計上、このうち公共事業費は16,639百万円(同100.4%)となっている。
林野公共(補助)事業3,041百万円(国費)、農山漁村地域整備交付金(公共)事業775百万円(国費)、令和3年度補正予算2,406百万円(国費)を合せた、令和4年度治山事業予算は、事業費12,315百万円、国費6,222百万円で、対前年度比101.9%と、前年度予算額と比較して一定の予算増が図られた。
一方で、こうした予算の伸びは、上記の国の予算の項目で述べた加速化対策の補正予算によるところが大きく、胆振東部地震による被災箇所への対応も見据え、今年度の治山事業の実施にあたっても、引き続き一層の効果的、効率的な実施が望まれる。