令和６年新年のご挨拶

新年のご挨拶

　令和６年の新しい年を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

　会員の皆様をはじめ、関係機関の方々には、日頃から当協会の事業推進に特段のご支援、ご協力をいただき厚くお礼申し上げます。

　昨年は、５月の能登半島沖を震源とする地震災害に始まり、６月以降の度重なる大雨による激甚な災害が全国的に多発し、北海道においても７月から１１月にかけての豪雨により、多くの山地災害や林道災害が発生しました。

　こうした全国で相次ぐ激甚な自然災害の発生を受けて、国では、令和３年度から「防災・減災、国土強靭化のための５か年加速化対策」を実施しており、昨年１１月１０日に閣議決定された令和５年度補正予算に４年目分の経費が計上され、１２月２２日に閣議決定された令和６年度当初予算と合わせて、目標額の２６００億円を上回る林野公共事業予算が引き続き確保されることとなりました。

　当協会といたしましても、災害復旧対策の緊急性、重要性はもちろんのこと、山地災害の未然防止に向けた総合的な事前防災・減災対策の実施、さらには、災害に強い健全な森林づくりに必要不可欠な路網整備を担う林道事業の重要性を、あらためて痛感しているところであり、令和６年度も引き続き荒廃山地の復旧・予防対策や海岸防災林の整備、さらには林道路網の整備や治山・林道施設の長寿命化対策などに集中的に取り組むとともに、新たな防災・減災、国土強靭化対策の着実な実施について、国等への働きかけを一層強化していく必要があると考えております。

　いうまでもなく、治山・林道事業は国土の保全や、適切な森林整備を推進することにより、国民の生命・財産を守る、我が国の根幹を支える重要な公共事業です。当協会としても、これまで市町村等の路網担当者を対象とした林内路網整備推進のための実務研修会を実施するとともに、治山、林道関係のセミナー、講演会を開催するなど、関係機関と一体となった取り組みを進めてきたところであり、広く道民に対する治山・林道事業の重要性の普及啓発活動や、国・道に対する予算の確保や施策の充実、災害復旧対策の推進についての要望活動などについても、より一層積極的に取り組んでまいりたいと考えています。

　結びになりますが、被災地域の早期復興を願いますとともに、本年が皆様にとって幸多い年となりますよう、心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶と致します。

年頭所感

「ゼロカーボン北海道」の実現に貢献する百年先を見据えた森林づくり

北海道水産林務部長
山口　修司

　令和６年の新春を迎え、謹んでごあいさつを申し上げます。

　昨年の本道の林業・木材産業を振り返ると、建築資材等の価格上昇により住宅着工数が減少し、木材需要が低迷する中、不安定な国際情勢により輸入木材の安定的な調達に懸念があるため、道産木材に転換する動きが広まっており、道産木材の安定供給体制の一層の強化が求められた一年でした。

　このため、道では、道産建築材の供給力強化や建築物等における道産木材の利用拡大に重点的に取り組むとともに、原木の安定供給を図るため、スマート林業による植林から原木生産・流通までの効率化・省力化や、クリーンラーチなどの優良種苗の増産を進めるなど、森林資源の循環利用を推進しているところです。

　本年より森林環境税の課税が開始されることから、道民の皆様に環境税及びこれを財源とする森林環境譲与税の趣旨や効果を理解して頂くための広報活動を強化するとともに、環境税等を効果的に活用し、市町村が主体となった森林の整備や担い手の育成、木材の利用などを進めていくため、道は、引き続き、市町村職員を対象とした研修会の開催や森林クラウドシステムの機能強化、道立北の森づくり専門学院における人材育成などで支援してまいります。

　また、「北海道植樹の日・育樹の日条例」が制定から５年の節目を迎えたことを契機に「道民ひとり一本植樹・育樹運動」を新たに展開し、全道各地で開催される植樹・育樹祭への参加や、企業等との連携した活動を促進するなど、道民の皆様との協働による森林づくりを進めてまいります。

　さらに、道民共通の財産である道有林では、森林の現況に応じて積極的な伐採・再造林や人工林の針広混交林化、活力ある天然林の育成を行うとともに、民間企業と連携し、航空レーザ測量を活用して創出した大規模な森林由来クレジットの販売を開始し、得られた成果やノウハウを市町村や企業に普及するなど、地域において先導的な役割を果たしてまいります。

　道としては、ゼロカーボン北海道の実現と林業・木材産業の成長産業化に向け、森林の若返りを図る伐採後の着実な植林や健全な森林を育成する間伐、道産木材の安定供給体制の構築などを進めるとともに、治山事業等により森林の国土保全機能を高め、近年、頻発化・激甚化する豪雨などによる山地災害から地域住民の生命・財産を保全するなど、百年先を見据え、北海道らしい豊かな森林を守り育てるために全力で取り組んでまいる決意です。

　本道の林業・木材産業が、地域を支える基幹産業として、より一層発展し、新しい年が夢と希望に満ちたより良い年となりますことを祈念して、年頭のご挨拶とさせていただきます。

年頭のご挨拶

北海道水産林務部林務局
治山課長　畠山　誠

　新年あけましておめでとうございます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和６年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

　北海道治山林道協会会員並びに関係の皆様には、平素より治山事業の推進等に多大なるご支援、ご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。

　昨年は、８月から１１月にかけて、大雨による山腹崩壊や土砂の流出により、人家や道路に被害を与えるなど、全道各地で多くの山地災害が発生しました。

　荒廃した林地の復旧にあたっては、国の災害復旧事業を活用するなど、早期復旧を図ることとしていますが、激甚化、多様化する自然災害の恐ろしさと事前防災・減災対策の重要性を改めて認識したところです。

　平成３０年胆振東部地震により崩壊した林地の復旧については、令和５年度までを集中復旧期間としており、国の災害復旧事業や治山激甚災害対策特別緊急事業等により、人家等の保全対象に近接した箇所の復旧は完了する見通しであり、引き続き、「胆振東部地震森林再生実施計画」に基づき、治山施設の整備を進めるとともに、緑化や植栽など、計画的な森林復旧に努めて参ります。

　本年の道の治山対策については、激甚化・多様化する山地災害から、地域住民の生命・財産を守るため、令和５年度補正予算により措置された、「防災・減災、国土強靱化のための５か年加速化対策」や、令和６年度当初予算を活用し、荒廃山地の復旧や山地災害の未然防止、海岸防災林の整備、治山施設の長寿命化対策などを推進して参ります。

　また、効率的に治山対策を進めるため、引き続き、ＩＣＴ建設機械の活用や、ドローンによる資材運搬など、生産性向上や労働環境改善にも取り組んで参ります。

最後に、本道の治山事業の推進にご理解とご協力をお願い申し上げるともに、新しい年が会員並びに関係する皆様にとって良い一年となりますよう、心から祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

年頭のご挨拶

北海道水産林務部林務局森林整備課
路網整備担当課長　羽角　修司

　令和６年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

　北海道治山林道協会会員の皆様並びに関係者の皆様には、平素より路網事業の推進にご支援、ご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。

　昨年は、７月から10月にかけての局地的な大雨や地すべりにより、渡島、オホーツク、上川、日高管内で４２箇所、２億７千万円の林道被害が発生し、この内、災害復旧事業の対象となる１３箇所について、国へ申請し、12月までに災害査定を終了したところです。

　今後、これら林道被害により、植林や間伐などの森林施業や木材の搬出に支障が生じないよう、国の災害復旧事業等を活用し、市町村と連携して被災箇所の早期復旧に努めてまいります。

　道では、豊かな森林資源を活用して、林業・木材産業の振興を図りつつ、ゼロカーボン北海道の実現に向けた森林吸収源対策として、人工林の計画的な伐採と伐採後の植林を着実に進めて森林の若返りを図ることとしており、森林整備の基盤となる路網の整備は益々重要となっています。

　このため、森林施業を行うために必要な幹線となる林道や、林道を補完し森林施業に利用される林業専用道などを適切に組み合わせて路網整備を進めるとともに、施設の強靭化や長寿命化対策、ICTの活用などにも取り組んでまいります。

　また、路網技術者の育成については、道や市町村、森林組合の若手職員を対象に、貴協会と連携して実施している路網整備技術者研修（設計・積算ワークショップ）をはじめ、路網に関する専門的な知識や技術の習得に必要な各種研修会を開催するとともに、日常のOJTを通じて引き続き、技術者の育成に取り組んでまいります。

　結びになりますが、本年も引き続き路網整備に対するご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げますとともに、会員の皆様並びに関係する皆様方のご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。