平成25年度路網・作業システム整備方針普及現地検討会の開催

 路網整備を担当する市町村職員や森林組合職員等を対象に、道が策定した「路網・作業システム整備方針」の普及を目的とした、標記検討会を、10月21~22日の二日間にわたり119名の参加を得て開催した。
 この研修会は、北海道森林整備加速化・林業再生事業として、道水産林務部の助成を得て当協会が実施するもので、6月に引き続き本年度2回目の開催となる。
 初日は、午後1時から、ドイツフォレスターのMichae(ミヒャエル)l Lange(ランゲ)氏による、自ら管理しているドイツの森林を事例に、「ドイツにおける路網整備、作業システムの最新事情」及び「ドイツの林業経営、施業方法、路網整備の役割」について講演がなされ、森林の取り扱いは、樹木のみならず土壌の維持管理や、木材生産だけではなく保健休養機能も含めた森林の総合的利用を念頭に置かなければならないことなどの話がなされた。
 その後、ドイツの再生エネルギーコンサルタントのTorsten(トアステン) Schwarz(シュヴァルツ)氏による、「路網整備と木質バイオマス-ヨーロッパの木質バイオマス利用の経緯と問題、課題-」と題した講演が行われた。ドイツでは電力の固定価格買取制度の導入などにより急速にバイオマス発電が広がり、今では原料不足で、一部は輸入に頼っている状況もあり、バイオマス利用にあたっては、利用可能量等の現地把握と将来計画を十分検討すべきとの話があった。
 2日目は、北海道水産林務部森林整備課小笠原主査から「路網・作業システム整備方針」や「丈夫で簡易な使いやすい路網整備の手引き」の普及について、森林活用課美唄普及指導員室の只野主任普及指導員より「北海道の林業機械と作業システム」の普及についての講義が行われた。
 最後に、ドイツのフォレスターも交えた会場との質疑応答、意見交換がなされた。
 なお、アーチ・ジョイントヴィジョン社代表の池田憲昭氏には、検討会全体を通した講師兼専門通訳をお願いした。

 午後からは、石狩市厚田区の千歳林業社有林(森林作業道聚富第五線ほか)において、路網整備や路線選定等についての現地検討が行われた。