令和5年新年のご挨拶
新年のご挨拶
令和5年の新しい年を迎え、謹んでお慶び申し上げます。 会員の皆様をはじめ、関係機関の方々には、日頃から当協会の事業推進にご支援、ご協力をいただき厚くお礼申し上げます。
昨年は、新型コロナの感染拡大を繰り返す中、様々な変異株の出現など収束に向けた道筋が見えないままの年越しとなりました。長期にわたり道民、国民生活に大きな制限と影響を及ぼしているところですが、治山事業、林道事業の推進については、コロナ禍の中でも確実に取り組んでいく必要があると考えているところです。
また、昨年は、7月及び8月の豪雨により、北海道から九州までの広範囲で人的被害を含めた災害が発生し、激甚災害に指定されました。さらに、9月には台風14号、15号が相次いで接近し、九州や東海地方を中心に激甚な災害が発生したところです。
こうした全国で相次ぐ激甚な自然災害の発生を受けて、国では、令和3年度から「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を実施しており、本年11月4日に閣議決定された令和4年度補正予算に3年目分の経費が計上され、12月末に閣議決定された令和5年度当初予算と合わせて、目標額の2600億円を上回る林野公共事業予算が引き続き確保されることとなりました。
当協会といたしましても、令和5年度も引き続き荒廃山地の復旧・予防対策や海岸防災林の整備、治山・林道施設の長寿命化対策などに集中的に取り組むとともに、新たな防災・減災、国土強靭化対策の着実な実施について、国等に強力に働きかけていく必要があると考えており、災害復旧対策の緊急性、重要性はもちろんのこと、山地災害の未然防止に向けた総合的な事前防災・減災対策の実施、さらには、災害に強い健全な森林づくりに必要不可欠な路網整備を担う林道事業の重要性を、あらためて痛感しているところです。
いうまでもなく、治山・林道事業は国土の保全や、適切な森林整備を推進することにより、国民の生命・財産を守る、我が国の根幹を支える重要な公共事業です。当協会としても、これまで市町村の路網担当者を対象とした林内路網整備推進のための研修会を実施するとともに、治山、林道関係のセミナー、講演会を開催するなど、関係機関と一体となった取り組みを進めてきたところであり、広く道民に対する治山・林道事業の重要性の普及啓発活動や、国・道に対する予算の確保や施策の充実、災害復旧対策の推進についての要望活動などについても、より一層積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
結びになりますが、被災地域の早期復興と、コロナ禍の一日も早い終息を願いますとともに、本年が皆様にとって幸多い年となりますよう、心からお祈りし、新年のご挨拶と致します。
年頭所感
―「ゼロカーボン北海道」の実現に貢献する百年先を見据えた森林づくり―
北海道水産林務部長
山口 修司
令和5年の新春を迎え、謹んでごあいさつを申し上げます。
昨年の本道の林業・木材産業を振り返ると、世界的な木材需要の高まりから輸入材価格の高騰が続く、いわゆる「ウッドショック」を背景に、原木や品質の確かな建築材の安定供給体制の整備が進んだほか、三月には「北海道立北の森づくり専門学院(北森カレッジ)」から、開校後初めてとなる卒業生を道内の関係企業等へ送り出すなど、林業・木材産業の競争力強化に向けた取組が進んだ一年でありました。
道では、昨年3月に改定した「北海道森林づくり基本計画」に基づき、森林資源の循環利用や木育の推進などの取組を進めており、さらには、同月に見直した「北海道森林吸収源対策推進計画」において、2030年の森林吸収量の目標を850万t-CO2とし、森林吸収量や炭素固定量の増加につながるよう、活力ある森林づくりの推進や道産木材の利用促進に取り組むこととしたところです。
本年は、こうした取組を加速させるため、高性能林業機械の導入促進やスマート林業の推進による木材生産の効率化、クリーンラーチなど優良種苗の増産を進めるほか、造林作業の低コスト化を図り、伐採後の着実な植林を推進するとともに、「HOKKAIDO WOOD」ブランドの活用などによる道産木材の需要拡大や、北森カレッジの卒業生をはじめとした新規就業者の確保・定着の促進、木育マイスターと企業等が連携した森林づくりや道産木材を活用したイベントの開催など、木育活動の促進に取り組んでまいります。
また、森林吸収源対策を推進するため、市町村と連携した森林づくりが重要であることから、令和元年度から都道府県と市町村に譲与されている「森林環境譲与税」を活用し、手入れの行き届かない森林の整備をはじめ、木材の利用や人材の育成などに取り組む市町村を支援してまいります。
さらに、道民共通の財産である道有林では、公益的機能の発揮を図りながら積極的な人工林の伐採・再造林を推進することはもとより、企業と連携し、航空レーザ測量を活用した大規模な森林由来クレジットの創出とその活用に取り組むなど、本道の森林づくりにおいて先導的な役割を果たしてまいります。
道としては、ゼロカーボン北海道の実現と林業・木材産業の成長産業化に向け、適切な森林の整備や道産木材の安定供給体制の構築などを進め、輸入木材から道産木材への転換を図るともに、防災・減災対策により森林の国土保全機能を高め、近年、頻発化・激甚化する豪雨などによる山地災害から地域住民の生命・財産を保全するなど、百年先を見据え、北海道らしい豊かな森林を守り育てるために全力で取り組んでまいる決意です。
本道の林業・木材産業が、地域を支える基幹産業として、より一層発展し、新しい年が夢と希望に満ちたより良い年となりますことを祈念して、年頭のご挨拶とさせていただきます。
年頭のご挨拶
北海道水産林務部林務局
治山課長 土岐 倫功
新年あけましておめでとうございます。 令和5年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
北海道治山林道協会会員並びに関係の皆様には、平素より治山事業の推進等に多大なるご支援、ご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。
昨年の治山に関する話題としましては、2月に根室管内羅臼町において、なだれ災害が発生し、また、6月から8月には、日高管内や檜山管内等において、豪雨による山腹崩壊や渓流からの土砂流出などの山地災害が発生しました。
豪雨災害で荒廃した林地については、国の災害復旧事業等を活用し、再度災害の防止と早期復旧を図ることとしていますが、東北地方においても豪雨による河川の氾濫など、甚大な被害が発生しており、改めて自然災害の恐ろしさと事前防災・減災対策の重要性を認識したところです。
平成30年胆振東部地震により崩壊した林地については、これまで、国の災害復旧事業等により、早期復旧に努めてきたとことですが、令和4年3月に「胆振東部地震森林再生実施計画」が策定されました。
今後も、この実施計画に基づき、関係機関と連携を図りながら、緑化や植栽など、計画的な森林復旧に努めることとしています。
本年の道の治山対策についてですが、令和3年から取り組んでいる、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が3年目を迎え、令和4年度補正予算により措置されたところです。
補正予算では、土石流等のリスクが高い山地災害危険地区の早期対策を進めることとしておりますが、併せて、令和5年度当初予算を活用しながら、荒廃山地の復旧や流域治水の取組み、海岸防災林の整備、治山施設の長寿命化対策、ICTなど、これまでに引き続き、着実に進めることとしています。
最後に、新しい年が会員並びに関係する皆様にとって良い一年となりますよう、心から祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。
年頭のご挨拶
北海道水産林務部林務局森林整備課
路網整備担当課長 佐々木 匠
令和5年の新春を迎え、謹んでお喜びを申しあげます。
一般社団法人北海道治山林道協会の会員及び関係者の皆様には、日頃より森林整備事業とりわけ路網事業の推進に、ご協力とご理解をいただいておりますことに感謝申しあげます。
昨年度は、6月、7月、8月と局地的な大雨により、渡島、上川など7振興局管内で17箇所1億9千万円の林道被害(公共災害)が発生したため、植林や間伐などの森林施業や木材の搬出などに支障が生じないよう、災害の早期復旧に向けて市町村と連携しながら取組を進めているところです。
また、道では、ゼロカーボン北海道の実現に貢献するため、二酸化炭素吸収量の増加につなげる対策として、計画的な伐採と伐採後の着実な植林により、活力ある森林づくりを進めることとしており、森林整備の基盤である路網整備については、計画的かつ着実に進めていくことが重要となります。
このため、木材の効率的な搬出や伐採・植林などの森林施業を行うために必要な幹線となる「林道」や林道を補完し森林施業の用に供される「林業専用道」、主に林業機械等が走行する「森林作業道」の整備を地域の要望に応じて進めていくほか、災害に強い林道の改良等の整備や老朽化する林道施設の長寿命化対策も併せて取り組んでいくこととしています。
そのほか、市町村や森林組合、道の路網担当者の若返りが進み、路網技術者の育成が喫緊の課題となっているため、貴協会にもご協力をいただきながら、これまで同様に、本年も「路網整備技術者研修(設計・積算ワークショップ)」をはじめとする林道の設計・積算に関する知識や技術の習得に向けた研修会を開催し、技術の継承を図りたいと考えております。
結びになりますが、道では、引き続き、木材を安定的に供給し森林の有する多面的機能を持続的に発揮していくために全道の路網整備を計画的かつ着実に進めてまいりますので、森林整備に対するご理解とご協力を重ねてお願い申しあげますとともに、会員並びに関係する皆様方のご健勝とご多幸を祈念し、年頭のご挨拶させていただきます。