令和2年度 民有林治山事業予算の決定状況
令和2年度の林野公共事業について
令和2年度の林野公共事業は、林業の成長産業化を実現するため、新たな森林管理システムの下で森林の経営管理を担う意欲と能力のある林業経営者の育成や、経営の集積・集約化を進める地域への路網の整備・高性能林業機械の導入等を推進するとともに、国土強靭化に向けて、激甚化する災害に対する山地防災力の強化のため、荒廃山地の復旧・予防対策、総合的な流木対策の強化等を推進するため、森林整備事業、治山事業、農山漁村地域整備交付金事業及び災害復旧・復興事業を実施することとしている。
林野庁関係公共事業費(一般公共事業費、災害復旧等事業費)の令和2年度概算決定額は、「防災・減災、国土強靭化のための緊急対策」に係る臨時・特別の措置分を含めて2,299億円(対前年度経常予算比119.2%)で、そのうち治山事業費は、815億円(同134.5%)、森林整備事業費は、1,382億円(同113.2%)の大幅な伸びとなっている。
このほか、地方の裁量によって実施する農林水産業の基盤整備や農山漁村の防災・減災対策(森林分野では路網整備や予防治山等の事業)を支援する、農山漁村地域整備交付金(公共)943億円(対前年度比101.7%)が措置されている。
また、令和元年度補正予算として、林野庁関係で814億円が措置され、治山事業173億円、森林整備事業218億円が計上された。
令和2年度北海道民有林治山事業予算について
北海道水産林務部関係令和2年度当初予算は、総額72,182百万円が計上され、対前年度2定現計比で98.8%となっている。
このうち林務関係分は、「北海道森林づくり基本計画」に基づき、森林資源の循環利用や木育を推進するため、合計33,387百万円(同101.2%)を計上、このうち公共事業費は20,993百万円(同103.8%)となっている。また、令和元年度補正予算として、治山事業費2,266百万円が計上された。
林野公共(補助)事業3,708百万円(国費)、農山漁村地域整備交付金(公共)事業1,014万円(国費)、令和元年度補正予算1,060百万円(国費)を合せた、令和2年度治山事業予算は、事業費11,440百万円、国費5,782百万円で、対前年度比94%と、大幅な伸びとなった前年度予算額と比較して一定の事業費が確保された。
一方で、上記の国の予算の項目で述べた特別対策(3年間)が今年度で終了となっており、平成30年度の被災箇所への対応も見据え、今年度の治山事業の実施にあたっても、引き続き一層の効果的、効率的な実施が望まれる。