2009.1 第14号 平成21年度里山エリア再生交付金新規事業概要

①北広島地区(林道整備)(森林利用施設整備)(地域創造型整備)
②松前地区 (林道整備)(森林利用施設整備)
③乙部地区 (林道整備)(森林利用施設整備)(集落基盤整備)
上記3地区の内、①北広島地区の整備内容を紹介します。

北広島地区の整備概要

1.事業名 森林居住環境整備事業(里山エリア再生交付金事業)
  (居住環境基盤整備と居住地森林環境整備の組み合わせ)
2.事業期間 平成21年度~平成25年度(5箇年)
3.全体事業費 609,000千円(国費:296,100千円)
4.事業実施地区の概要
〈はじめに〉
 北広島市は北海道石狩平野の南側に位置し、周囲52.5km、総面積118.54km、人口60,957人(H20.9)の緑に囲まれたまちで、その緑の軸の骨格となる特別天然記念物野幌原始林を含む国有林を始め、南の里の森や仁別・三島の森等多くの豊かな森を持つ、人と自然が共生するまちとして発展してきた地区であります。
 この町で北広島市総合計画のもとに「北広島市緑の基本計画」を策定し、『緑を愛する市民が住み、緑と人がともに育ち交流するまち』を基本理念として掲げており、森林浴、自然観察のほか、市民植樹祭など森林とのふれあいを通じ、教育、レクリエーション、健康、癒しの場として森林を提供することで、地域住民の森林に対する関心を高めていくためにも里山としての豊かな自然環境を最大限に活用するとともに、都市住民との交流を促進するための森林レクリエーション及びスポーツ、さらには、本市の開拓の歴史・文化を伝える学習の場を整備するなどが急務となりこの事業の実施に至りました。

〈整備目的〉
1)周辺緑地の森林整備
 居住地周辺の森林は『緑の基本計画』にも施策としてあげられており、地域住民の住環境を良好に保つために不可欠な緑地として設定されています。
 今現在は作業道も無いため未整備状態となっており、本事業において作業道等林内歩道を整備し、不良木の淘汰及び除去、除根並びに整地を行い地域住民の憩いの場として整備する。
2)森林運動広場の整備
 森林運動広場は野幌原始林へと広がる悠久な大地とのふれあいの中で、北広島市の骨格となる森林である国有林と隣接し、心身の健康づくりはもとより、市民相互のふれあいと交流を深めることを理念として整備する。
3)富ヶ岡市民の森整備富ヶ岡の森は北広島市の『市民の森』として位置付けられており、植樹祭や森林学習会などの事業を通じて森林の体験学習ゾーンとして整備する。
4)旧島松駅逓の森整備
 旧島松駅逓所は明治の始め、函館、札幌間の長距離馬車道となった札幌本道の駅逓として人馬の継ぎ立て、宿泊、食料の提供、公用状の逓送などの業務が行われ、当市の開拓以前から北海道の開拓に寄与していた。
 この地域を当時の「歴史を思う空間」と位置付け、人と自然が交わる歴史的な公園として、散策路、四阿、水車小屋などに間伐材を利用した施設整備を実施し、森林の持つ公益的機能をアピールする場として整備する。
5)地域創造型整備 前項でも記述した旧島松駅逓所は明治初期に入植した中山久蔵が試行錯誤の末成功した水稲の発祥の地としても有名で、北海道に寒地稲作を広めた所でもあり、駅逓所横の見本田では今も当時のもみの赤毛種の田植えが行われています。また、地形的にには島松と三島の森に挟まれた仁井別川と島松川の合流点てあることから地下水も豊富に出る箇所で、この地下水を利用して水車小屋を整備することで、脱穀や製粉を体験し開拓当時の稲作を再現できる場所として地域はもとより都市住民との体験交流、森林持つ公益的機能の一つである水源のかん養などの理解を深める場として整備する。