平成30年度 民有林治山事業予算の決定状況
平成30年度の林野公共事業について
平成30年度の林野公共事業は、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を実現するため、意欲と能力のある林業経営体や、同経営体が森林の経営・管理を集積・集約化する地域に対し、間伐や路網整備、主伐後の再造林等を重点的に支援するとともに、集中豪雨、流木被害の拡大等に対する山地防災力の強化のため、荒廃山地の復旧・予防対策、総合的な流木対策の強化等を推進するため、森林整備事業、治山事業、農山漁村地域整備交付金事業及び災害復旧・復興事業を実施することとしている。
林野庁関係公共事業費(一般公共事業費、災害復旧等事業費)の平成30年度概算決定額は、1,900億円(対前年度比100.0%)で、そのうち治山事業費は、597億円(対前年度比100.0%)、森林整備事業費は、1,203億円(対前年度比100.0%)となっている。
このほか、地方の裁量によって実施する農林水産業の基盤整備や農山漁村の防災・減災対策(森林分野では路網整備や予防治山等の事業)を支援する、農山漁村地域整備交付金(公共)917億円(対前年度比90.2%)が措置されている。
また、平成29年度補正予算として、林野庁関係で862億円が編成され、治山事業195億円、森林整備事業125億円が計上された。
平成30年度北海道民有林治山事業予算について
北海道水産林務部関係平成30年度当初予算は、総額58,900百万円で、対前年度比で98.5%となっている。
このうち林務関係分は、「北海道森林づくり基本計画」に基づき、森林資源の循環利用や木育を推進するため、合計26,068百万円(対前年度比94.3%)を計上、このうち公共事業費は16,322百万円(対前年度比92.7%)となっている。また、平成29年度補正予算として、治山事業費2,664百万円が計上された。
林野公共(補助)事業2,688百万円(国費)、農山漁村地域整備交付金(公共)事業811百万円(国費)、平成29年度補正事業1,241百万円(国費)を合せた、平成30年度治山事業予算(30年度実施ベース)は、事業費9,482百万円、国費4,740百万円で、対前年度比118%と、平成26年度以降の非常に厳しい予算状況から一定の回復傾向がみられるものの、当初予算だけでみると、対前年度比94.9%と減少傾向に歯止めがかからず、補正予算頼みの状況が続いている。このため、治山事業の実施にあたっては、前年度の被災箇所への対応も含め、引き続き一層の効果的、効率的な実施が望まれる。