2010.11.16~17 日本林道協会創立60周年記念講演会及び現地視察
治山・林道コンクール表彰式の後、日本林道協会創立60周年の記念講演会が開催された。
講演は、森林林業再生プラン 路網・作業システム検討委員会座長の東京大学教授 酒井 秀夫氏による、「日本林業の再生と木材生産システム・路網整備のあり方」と題して、行われた。
「森林・林業再生プラン」実現に向けて不可欠なインフラである路網は、一時的施設としていた作業道も長期にわたって使用していくことを前提に路網を整備していくこととし、従来の「林道」と森林施業専用の車両の走行を予定した「林業専用道」の車道と林業用機械が走行する「森林作業道」に区分し、それぞれを一体的かつ有機的に整備し、生産性を向上していくことなどの説明があった。
17日、群馬県みなかみ町の赤谷の森及び沼田市の林野庁林業機械化センターで行われた現地視察会に広野副会長他が参加した。全国からの参加者約40人は上越新幹線上毛高原駅に集合した。当日は晴天に恵まれ、2台のバスに分乗し、現地に向かった。
赤谷森林環境保全ふれあいセンターの鈴木所長より、約一万ヘクタールの国有林「赤谷の森」で地域住民、自然保護協会、関東森林管理局が協働して、生物多様性の復元と持続的な地域づくりを進める「赤谷プロジェクト」の説明を受け、現地に向かった。
カラマツ林や列状間伐したスギ林を見学し、渓流環境復元のため、既設の治山ダムをV字に取り壊した改修ダムを見学。見学者からは、防災上の問題点などの意見が活発に出されたが、妥当性、効果などについてモニタリングをし、検証していくとの説明であった。
「赤谷プロジェクト」の活動拠点「いきもの村」で昼食後、沼田市の林業機械化センターに向かった。
センター所長から研修計画などの説明を受けた後、林業機械の展示棟などを見学し、低コスト作業路の作設現場を視察し、現地で意見交換をした。路面排水処理や伐根を利用した土留めなど、今話題の「森林作業道」を実際に見ることができ、有意義な現地視察であった。