令和5年度 民有林治山事業予算の決定状況
令和5年度の林野公共事業について
令和5年度の林野公共事業は、カーボンニュートラルを見据えたグリーン成長を実現するため、森林吸収量の確保・強化や国土強靭化、林業の持続的発展等を図るべく、間伐の着実な実施に加え、主伐後の再造林、幹線となる林道の開設・改良等を推進するとともに、気候変動に伴い激化する降水形態や活発化する地震及び火山活動に対応するため、被災状況に応じた機動的な事業実施等による復旧の加速化・効率化や危険度の高まった地域における事前防災力の向上を図るとともに、新技術の導入による施工の省力化等により事業体等の負担軽減を推進することとしている。
林野庁関係公共事業費(一般公共事業費、災害復旧等事業費)の令和5年度概算決定額は、「防災・減災、国土強靭化のための加速化対策」等を措置した令和4年度補正予算を含めて2,914億円(対前年度経常予算比147.9%)で、そのうち治山事業費は879億円(同141.7%)、森林整備事業費は1,691億円(同135.6%)と、令和4年度に引き続き大幅な伸びとなっている。
このほか、地方の裁量によって実施する農林水産業の基盤整備や農山漁村の防災・減災対策(森林分野では路網整備や予防治山等の事業)を支援する、農山漁村地域整備交付金(公共)が措置されている。
令和5年度北海道民有林治山事業予算について
北海道水産林務部林務関係令和5年度当初予算は、「北海道森林づくり基本計画」に基づき、ゼロカーボン北海道の実現に向けた活力ある森林づくりや木育マイスター・企業などによる木育活動を推進するため、骨格予算として合計26,779百万円(対前年度当初予算比94.8%)を計上、このうち公共事業費は16,980百万円(同102.0%)を全額当初予算に計上している。
林野公共(補助)事業3,061百万円(国費)、農山漁村地域整備交付金(公共)事業794百万円(国費)、令和4年度補正予算1,544百万円(国費)を合せた、令和5年度治山事業予算は、事業費10,676百万円、国費5,399百万円で、対前年度比86.8%と、前年度予算額と比較して予算減となったものの、所要の予算は一定程度確保された。
一方で、こうした予算の減は、上記の国の予算の項目で述べた加速化対策の補正予算の措置額の減少によるところが大きく、胆振東部地震による被災箇所への対応も見据え、今年度の治山事業の実施にあたっても、引き続き一層の効果的、効率的な実施が望まれる。