令和6年度 民有林治山事業予算の決定状況

令和6年度の林野公共事業について

 令和6年度の林野公共事業は、カーボンニュートラル等を実現するため、森林吸収源の機能強化・国土強靭化に向けた間伐、主伐後の再造林、幹線となる林道の開設・改良等を着実に推進するとともに、豪雨や地震等に起因する山地災害から国民の生命・財産を守るため、流木対策や機能強化対策の充実など、多様化する災害に対応した治山対策の実施、流域治水との連携拡大や生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)等の強化により、国土強靭化に向けた取組等を推進することとしている。


 林野庁関係公共事業費(一般公共事業費、災害復旧等事業費)の令和6年度概算決定額は、「防災・減災、国土強靭化のための加速化対策」等を措置した令和5年度補正予算を含めて3,059億円(対前年度経常予算比154.6%)で、そのうち治山事業費は892億円(同143.2%)、森林整備事業費は1,731億円(同138.3%)と、令和5年度に引き続き大幅な伸びとなっている。
 このほか、地方の裁量によって実施する農林水産業の基盤整備や農山漁村の防災・減災対策(森林分野では路網整備や予防治山等の事業)を支援する、農山漁村地域整備交付金(公共)が措置されている。

令和6年度北海道民有林治山事業予算について

 北海道水産林務部関係令和6年度予算は、当初予算に総額61,632百万円が計上され、対前年度2定現計予算比で95.4%となっている。
 また、林務関係分は、「北海道森林づくり基本計画」に基づき、ゼロカーボン北海道の実現に向けた活力ある森林づくりや木育マイスター・企業などによる木育活動を推進するため、合計27,527百万円(対前年度2定現計予算比95.8%)を計上、このうち公共事業費は16,883百万円(同99.4%)となっている。

 令和6年度の治山事業予算は、林野公共(補助)事業3,034百万円(国費)、農山漁村地域整備交付金(公共)事業815百万円(国費)、令和5年度補正予算1,544百万円(国費)を合せて、事業費10,689百万円、国費5,393百万円で、対前年度比99.9%と、前年度予算額とほぼ同額となり、所要の予算は一定程度確保されたものの、胆振東部地震災害の集中復旧期間終了後の森林再生実施計画に基づく治山施設の整備も見据え、今年度の治山事業の実施にあたっても、引き続き一層の効果的、効率的な実施が望まれる。