2009.1 第14号 平成21年度 北海道民有林治山・林道事業予算の概要

1.民有林治山事業

 平成21年度北海道民有林治山事業予算は、「骨太の方針08」や概算要求基準などを踏まえて要求され、08年度当初比91.0%、105億3,500万円で決定し、それぞれの事業費は表-1のとおりとなっています。
 平成21年度の治山事業予算は、近年の局地的な豪雨の頻発や地震等による大規模な山地災害を踏まえ、「犠牲者ゼロ」に向けた効果的・効率的な治山対策を推進することとし、
①地域住民との協働による先駆的かつ総合的な減災対策の推進を図る「山地災害総合減災 対策治山事業」
②山村地域の立地条件に応じたきめ細やかな治山対策と地域住民等の参画による効果的な森林の整備を講じる「水源の里保全緊急整備事業」等を実施することとしております。
また、昨年度に引き続き、農林水産関係事業が一体となった森林づくりの推進する「漁
場保全の森づくり事業」や、将来の道州制に向けて北海道と市町村が連携し、地域の自主
性を高めた取組を実施することにより、地域の課題解決を図る「道州制北海道地域連携モ
デル事業」を平成20年度から5年間で実施することとしております。
 なお、近年の豪雨等で発生した荒廃地のうち、緊急に対策を講じる必要のある箇所について、補正予算を計上して崩壊地の復旧や機能が低下した保安林の再生を行うこととしております。
 平成20年度の新規施策や事業内容の拡充については次のとおりです。
 予算の確保にあたり、ご協力、ご支援をいただきました皆様に、誌面をおかりしまして厚くお礼申し上げます。

新規施策等

●山地災害総合減災対策治山事業(新規)
 緊急度に応じたハード対策や警戒避難体制の整備等のソフト対策を内容とする「山地災害減災対策」を国・都道府県が市町村や地域住民と協働で策定し、地域住民の災害に対する意識を高めつつ、住民参加型の先駆的かつ総合的な減災対策を推進。
●水源の里保全緊急整備事業(新規)
 奥地山村集落周辺の荒廃した保安林において、背後に山がせまる傾斜地に人家が点在するなどの山村地域の立地条件に応じたきめ細やかな治山対策と地域住民等の参画による効果的な森林の整備を講じ、山地災害による被害の防止・軽減と水源林の整備等を促進。
●漂着流木等除去対策(拡充)
 飛砂や高潮等による被害を防止・軽減する海岸防災林等の保安林において、森林造成の妨げとなる漂着した流木等の除去対策を実施し、沿岸地域における安全・安心を確保。
●治山施設災害関連事業(拡充)
 防潮堤、防潮護岸工等の海岸砂防施設の被災状況や、対象とする海岸の浸食状況、沿岸の漂砂特性等を勘案し、防潮堤、防潮護岸及び根固工等の陸域施設の災害復旧事業のみでは再度災害の防止及び被災区間の拡大防止が図られない場合について、新たに災害関連事業により、突堤、離岸堤等の沖合施設の整備を実施できることとする。

2.民有林林道事業

 林道事業予算は、森林整備事業として造林事業と一体化されて示されており、平成21年度の北海道の民有林森林整備事業の概算決定額につきましては対前年度比111.6%の66億1ニF5百万円(全国の民有林の補助は対前年度比96.1%で847億9千百万円)となっており、全国的にも高い伸び率となっております。
 また、平成20年度に創設された農林水産関係事業が一体となった取組である「漁場保全関連特定森林整備事業」(森林整備)、「農業用水水源地域保全整備事業」(森林整備)につきましても、それぞれ水産基盤整備事業及び農業生産基盤整備事業において予算計上されているところです。(表-2)
(主な内容)
 平成21年度の予算につきましては、京都議定書に基づく森林吸収目標の達成に向けて、引き続き間伐等の実施に重点を置いた内容とされており、新たに森林の立地等条件不利で長期間整備が行われていない森林を対象に間伐、作業路網の整備等を定額助成する「条件不利森林緊急公的整備特別対策事業」や間伐実施の前提条件となる境界の明確化活動を進める「森林境界明確化促進事業」などが予算計上されております。

 北海道の民有林林道事業予算としましては、各市町村からの要望を踏まえ、事業費ベースで約30億円を考えております。
 地方財政が年々厳しくなる状況の中において、本道の林道事業費も年々減少しており、多様な森林整備や木材生産コストの低減等を一層推進させていくためには、限られた財源の中で、事業の選択と集中等を図りながら林道整備を進めていかざると得ないと考えてお
ります。また、引き続き公共事業全般にわたるコスト削減や効果的・効率的な事業執行につきましても求められていることから、皆様方の一層のご理解ご協力をお願い致します。
 なお、平成21年度林道事業に係る、新たな施策や拡充に関しては次のとおりとなっています。

新規施策等

●多様な森林整備推進するための林道整備の効率化
(森林環境保全整備事業の拡充)
 揮発油税の一般財源化に伴い、農林漁業用揮発油税財源身替林道整備事業を廃止し、森林環境保全整備事業及び森林居住環境整備事業により峰越連絡林道の開設及び林道の舗装を実施。